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ミニゲームは3対3と4対4の使い分けが重要!!指導者必見のミニゲーム攻略法

kumacchi

ミニゲームの基本は3対3と4対4。
意図してこの使い分けが出来ていないと、ミニゲームの効果が半減します。

皆さんはミニゲームの人数をどのように決めていますか?

・当日のメンバーを単純に2チームに分ける
・適当にノリで分ける

これは非常にもったいないです。

チームの人数で3人と4人だと、全く別物になるって知ってましたか?

このブログでは、ミニゲームの基本である3対3と4対4の使い分けをすることで、
ミニゲームを駆使して選手がぐんぐん伸びる環境の作り方を伝授します。

3対3と4対4の違い

3対3と4対4の大きな違いは、ポジションの概念が出てくるかどうか、です。

3対3では三角形をつくることができますが、チームとして幅と深さを作ることは困難です。
一方、4対4ではダイヤモンド型を作ることで3列作ることができ、幅と深さを作ることができます。

チームとしてポジションの概念を導入してバランスを取るためには最低4人必要なので、
サッカーチームとしての最小人数は4人と言われています。

サッカーチームの最小人数が4人であるなら3対3をする必要ないのでは?
と言う意見があるかもしれませんが、全くそんなことはありません。

3人だとチームバランスが非常に不安定であるため、チームとしてポジションを決めることが困難です。
なので、個人の技術や判断がキーファクターになります。

そのため、
3対3では個人技術や個人戦術からグループ戦術までを身に付けるのに非常に有効で、
4対4ではグループ戦術からチーム戦術を身に付けるのに非常に有効です

3対3

3対3の大きな目的は、個人技術や個人戦術からグループ戦術を身に付けること、です。

このような能力は小学生年代で必ず身に付けたいものですが、
特に低学年で取り組んでおくことが非常に重要です。

なので3対3は低学年では積極的にやってほしいものです。

3対3を低学年でオススメする理由

3対3をオススメする理由は2つです。

・サッカーの基本である三角形を意識しやすい
・1人の負荷が高い
・局面が強くなる

このような、サッカーの基本となることを全員が身に付けるチャンスになります。

サッカーの基本である三角形を意識しやすい

サッカーは三角形が基本になります。

三角形を作ることで2つのパスコースを作ることができ、
前進のサポートと逃げ道のサポートを行うことができます。

常に三角形を作るには、ボールだけでなく味方や相手の位置も把握する必要があるので、
周りを見て適切にポジショニングを取る癖が身に付きます。

その基本形を低学年で身に付けることで、高学年になった際にチーム戦術の理解もスムーズになります。

1人の負荷が高い

ミニゲームの中で一番大事なことは、選手全員が「自分が関与しないといけない状況」を作ることです。

ミニゲームを行う一番の理由は「全員が関わることができる」です。
人数が多くなればなるほど関わらない人数が増えます。それは低学年では無くす必要があります。

3人チームであれば、1人がサボるとパスコースが1つになり、チームが非常に難しい状況になります。
また守備面でも1人がサボると崩壊します。

常に全員が関与しながらプレーすることが求められ、全員のレベルが上がっていきます。

局面が強くなる

サッカーはチームでゴールを目指すスポーツですが、実際は一つ一つの局面の勝負の連続です。
いくらチーム全体のバランスが良くても、局面で勝てないと試合は難しくなります。

それに、低学年はチーム全体を理解するのはまだ難しいです。
なので、まず局面の勝負にフォーカスする方が理解しやすいです。

局面を打開するため必要な個の力(個人技術や個人戦術)とグループ戦術を身に付け、
低学年の選手に最適な強度でサッカー脳を鍛えることができます。

3対3でなぜ個の力が伸びるのか

3対3は個にフォーカスしたものだと述べましたが、なぜ3対3だと個の能力が伸びるのか?

3対3の特徴から、個の能力が上がる理由を説明します。

個々の責任が大きくなる

前述したように、3対3だと1人がサボるとチームが機能しなくなります。

なので、常に全員に「自分のやるべきこと」が出てきます

そして、ゲームの中でボールに触る機会も多くなりますし、個の力でなんとかしないといけない場面も多く起こります。

3人の関係が2-1になった場合は1人でその場面を解決しないといけません。
そういう機会が次々に出てくるのが3対3の特徴です。

単にボールを触る機会が増えるだけでなく、個で解決する場面が多いため必然的に個の力が伸ばせます。

効果的なドリブルの回数が増える

「個々の責任が大きくなる」にも通じる部分ではありますが、
味方が少ない分、プレーする機会が多くなるのでドリブルする機会が増えます。

ジュニア年代、特に低学年ではボールをたくさん触ることが大事になります。

ただし、全てのプレーがドリブルになるとサッカーの本質からは離れていきます。
チームにとって効果的なドリブルである必要があります。

2対2であれば、ボールを持ったら全てドリブルでも武器として完結することはできますが、
3対3になると3人に囲まれる状況になるので非常に難しくなります。

また、3人だと、突破だけでなく運ぶドリブル、引きつけるドリブルが、
密集と拡散(次に紹介)に非常に効果的になります。

なので、ドリブルする機会が増えるうえで、どんなドリブルが効果的か判断することも求められるため、
ドリブルという技術を身に付けるのに最適な人数になります。

密集、拡散の切り替えが常に起きる

サッカーにおいて、「攻撃は広く、守備は狭く」が基本です。
その上で、個々が密集と拡散を繰り返しながら、適切なポジショニングを取る必要があります。

しかし、3対3と4対4の違いでも述べたように、3人組はポジショニングを考えると非常に不安定です。

1対1が3つ出来てる状況だとチームでプレーできず、そこにサポートやカバーが入ると密集します。
ピッチを広く使いたい攻撃側と、コンパクトに相手を追い込みたい守備側の戦いが始まります。

これが4人だとそれぞれバランスよくポジショニングを取ることででカバーできますが、
3人だと密集と拡散を同時に実現できず、「常に1人足りない状況」になります。

この戦術的負荷を常に全員に与えながらゲームを行うことができるのが3対3の大きな特徴です。

サッカーは8人制でも11人制でも、基本的にはこの密集と拡散の繰り返しです。
それをミニゲームの中で常に全員が意識し続けることで、個のレベルは非常に上がります。

3対3で選手を伸ばすコツ

では具体的に3対3をやる上で何に気を付けたらいいの?という疑問があると思います。

実際は、ただ3対3をやってもある程度選手は伸びます。それがミニゲームの大きな武器です。

やり方やコツはたくさんあるので、ここでは基本的なものを紹介します。
なので、紹介してるものが答えというわけではないので、その中で工夫してやってみてください。

コートは横長がおすすめ

3対3の大きな目的は、前述した通り「密集と拡散」です。

そこで通常のサッカーのような縦長のピッチだと、
片方に密集させても逆サイドまで距離が短い分カバーリングが間に合います。

横長のコートにすることで、引きつけて逆の展開をイメージしやすくなります。

ただ、広すぎると逆まで届かないので逆の意識が付きにくく、狭すぎると拡散ができないです。
僕が指導してるチームでは、3年生が8人制のペナルティエリア程度の広さでやってます。

ゴールは4ゴール(フニーニョ)がおすすめ

4ゴールの大きなメリットは「攻める方向でも駆け引きが生じる」ことです。

なのでプレーの選択肢を増やすことができ、運動能力に差がある場合でも駆け引きで勝つことが可能になります。

小学生は発育の差が大きいので、身体能力という武器も発育の時期だけの問題である場合が多いです。
そこに頼るプレーばかりになることを防ぐこともできます。

あとは、ミニゴールで行うと勝つために1人キーパーをやって失点を全てその子が防ぐ、という現象が低学年ではよく起きます。
それを防止することも容易になります。
(キーパー禁止だとシュートブロックの細かい場面で揉める原因になるので)

2対1を作ればOK

基本的にゲーム中はフリーズ無し、声掛けも最低限にすることが望ましいです。

密集と拡散が大事と言いましたが、これを低学年の子に話をして理解するのは難しいです。
(高学年でも難しいかもしれません)

なので、基本的には観察することを最優先にしてほしいですが、
ゲームを何となくやらせるだけだと抵抗がある指導者の方もいらっしゃると思います。

僕が3対3で伝えるのは、「これは2対1を作ることが大事だよ」です。

これが3対3の大きなテーマだと僕は思っています。

4対4

4人というのは、サッカーにおいてチームの最小人数と言われています。

なので4対4の大きな目的はグループ戦術からチーム戦術を身に付けることになります。

イメージしやすいのはフットサルです。
フットサルはフィールドプレイヤーが4人でプレーし、チームとしてバランスが取れています。

4人がチームの最小人数と言われる理由

チームで幅と深さを作るための最小人数が4人と言われています。

ひし形をイメージすると、上下で深さ、左右で幅を作ることができます。
3人で深さと幅を作ろうとするとどうしてもそれぞれが離れてしまいます。

DF、MF、FWというポジションの概念が4人だと組み込めるので、チームとして成立します。
3人だと全員がオールマイティにこなす必要があります。

そのため、3人だとグループ、4人だとチームという構成になる、ということです。

4対4だと選手がチーム戦術が身につく理由

サッカーはポジション毎に役割があり、その中で自分の個性を出す必要があります。

しかし、なぜそのポジションにいるのかが低学年の間は理解できない場合が多いです。

なので「君はDFだから守らないと」「君は右サイドだから左まで行ったらダメ」と説明することになり
ただそこにいるだけの選手になってしまう場合が多いです。

しかし、4対4であれば逆サイドにあっても一気に自分のところにボールが来ます。
なので常にボールに関わる意識を持ちながら準備をするようになります。

ポジションの概念を覚えながら、常にボールに関わり続けることができる。
それが4対4の大きなメリットです。

3人以下だとポジションの概念がなかなか身につかず、
逆に人数が多くなればなるほどボールに関わる時間が短くなります。

4対4での戦術的負荷のかけかた

4対4だとチームとして戦う方法が身に付くので、それを最大限に引き出すことが求められます。

そのために選手にポジションや役割などの負荷を与えてプレーさせます。

ここでは代表的な例を2つか挙げていきたいと思います。
(残りはまた別記事で。)

ダイヤモンド型でスペシャリストを作る

CB、右MF、左MF、FWのダイヤモンド同士でマッチアップします。

CBとFWで深さ、両MFで幅を作り、マークする相手もはっきりしています。
いわゆるミラーゲームというものです。
CBとFW、サイド同士など、マッチアップがある中でどう攻めて守るかを観察します。

役割がはっきりしているため、ポジションを覚えるきっかけとして最適です。
また、ゲームの中で1対1が多く存在するので、個の対人能力も上げることができます。

チームとしての戦術と対人能力をゲームの中で上げることができる、一番王道のやり方です。

ボックス型でライン突破の感覚を身に付ける

攻撃2人、守備2人の役割に分けてやる方法です。

ダイヤモンド型が3列になっているのに対し、ボックス型は2列になります。

それにより、相手の1列目を突破して、2列目を突破して、ゴール、というサッカーの流れを身に付けることができます。

サッカーのビルドアップの考え方として、
まず相手のFWライン、MFライン、DFラインを3列を突破していきながらゴールを目指していきます。
それをイメージするようなゲームになります。

その中で2人が横並びではなく斜めになったりしながら、ボールを運んだり縦パスを入れて、
グループで相手のラインを突破していく形ができます。

ダイヤモンド型よりもビルドアップの練習に適したゲームになります。

4対4で選手を伸ばすコツ

それでは具体的に4対4をやる上でポイントになる部分を伝えていきます。

3対3と少し変わる部分があるので、そこを重点的に伝えます。

コートの縦横比は目的に応じてOK(正方形がオススメ)

3対3は密集と拡散を身に付けるために横長をオススメしましたが、
4対4はフォーメーションによってコートの広さを決めるのがいいと思います。

例えばダイヤモンド型でサイドの突破をメインに考えたら横長ですし、
ボックス型でビルドアップしながらやるなら通常のコートと同じ縦横比で縦長でやる。

正方形ならどっちにも対応できるので正方形からスタートして、
様子を見て変えることもありだと思います。

ゴールは2ゴールがオススメ

4対4になると、通常のように2ゴールがオススメです。

4ゴールになると守備側の負担が大きすぎるのと、サッカーの戦術的なことを身に付けにくくなります。

1つのゴールを攻めるためのボールの運び方や守るためのポジショニングを身に付けることを優先します。

ただし4ゴールでも有効な場合としては、ビルドアップの基礎を身に付ける場合です。
ボールを保持しながらどっちのゴールを攻めるかの駆け引きが、ビルドアップに繋がります。
(その場合はラインゴールでライン突破でもありだと思いますが、選手のやる気が…)

非常に大事な「作戦タイム」

4対4をやる上で是非取り入れてほしいのが、作戦タイムです。

ポジションやある程度決まってくる4対4では、3対3よりもプレーの再現性が高いです。
なので、ゲームの合間に1~2分程度でいいので作戦タイムを設けることをオススメします。

その時間に指導者が集めて全体に話すことが多いと思いますが、
選手達だけで話すことで主体性が全く違います

最初はもちろん内容の質は低いと思いますが、何度も繰り返すことで大きく向上します。

それが試合でのハーフタイム、さらにはピッチ内で選手同士で修正できる能力に繋がります。

いろんなポジションをやること

4対4であればポジションを決めると思いますが、だんだんとポジションが固定になってきます。

ポジションを固定して理解を深めることも大事だと思いますが、ジュニア年代はいろんなポジションを経験することの方が重要です。

なかなか公式戦や大会などでいろんなポジションを経験させることは難しいと思います。

なので、こういうミニゲームの中で積極的にポジション変更をしていきましょう。

ちなみに僕は5分×4セットでゲームを行い、全員が全部のポジションを回りながらやるようにしてます。
そういうルール設定の中で、どのように回すかは選手同士で作戦を立ててます。

まとめ

今回は3対3と4対4の使い分けについて説明しました。

まとめると、3対3は個人~グループ、4対4はグループ~チームに発展していきます。

これは学年や時期によって使い分けるのでもいいし、大会等でチーム状況を見て使い分けるでもいいと思います。

今回紹介した考え方をもとに、ミニゲームを楽しんでみてください。

そこから発展すると、1対1や2対1、2対2から4人以上のゲームも目的に応じて使い分けることができるようになります。

ミニゲームを通じて選手達が楽しく成長できる環境を作っていきましょう。

ABOUT ME
くまっち
くまっち
サッカー小僧育成コーチ
サッカーコーチ歴18年 ジュニア~ジュニアユースのチームコーチ 低学年(1~4年生)を担当し15年 サッカーの楽しみ方を追求中
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